在宅という新しい勤務形態に落ち着くプロフェッショナル(採用担当マネージャーを含む)が増えるにつれ、リモートで行う採用面接も一般的になってきています。動画面接は、対面が不可能な場合の妥当な代替策であるだけでなく、より便利で低コストでもあります。
大半のマネージャーにはおそらく何らかのオンライン会議に参加した経験がありますが、全員が動画面接のノウハウを持っているわけではありません。ここでは、リモート面接に備え、最大限に活用するためのアドバイスをご紹介します。
1. ぶっつけ本番は禁物
オンライン面接が一般的になってきたとは言え、一定の準備は当然、必要です。リモート面接の詳細を事前に候補者と打ち合わせるのは、面接官の職務です。誰が電話をかけるのか、どのオンライン会議ツールを使うのかを明確にし、面接に同席する人が他にいるのであればその氏名と肩書きも候補者に伝えます。詳細を知らせておくことは候補者の気持ちを楽にしますし、手順をスムーズに進めることができます。
2. 不具合がないよう機器を調整
面接実施の前日または前々日には、オンライン会議ツール(Skype for BusinessやZoomなど)をテストし、不具合が生じたときの対応を考えておきましょう。パソコンのカメラ、マイク、インターネット接続、そしてログイン情報も確認しておきます。しばらく使用していなかった場合は特に注意が必要です。ノートPCやタブレットを使用する場合は、Wi-Fi接続と充電も忘れずに確認します。
3. 代替案を準備する
入念に準備したにもかかわらず、使うはずのツールが作動しなかった場合にすぐに連絡できるよう、候補者のメールアドレスと電話番号を記載したメモ書きを手元に置いておきます。動画面接ではなく電話面接に切り替えることになるかもしれません。
通信速度の問題もよく起こります。同じエリアで多数の人がインターネットを同時に使用すると、ネットワーク上で遅延が発生し、オンライン会議ツールでの障害を引き起こす場合があります。そのような場合は、アプリケーションの動画機能をオフにするのも1つの方法です。お互いの表情が見えなくなるため、面接方法としては理想的なスタイルではなくなりますが、同じツールを使いながら話しを続けることができます。また、インターネットを使う人が少ない時間帯に面接を行うことも検討してください。
4. 妨げになり得る物事は最小限に抑える
やチャットの通知機能を予め切っておき、リモート面接に用いる部屋のドアには「面接中」と張り紙をします。室外の騒音が多い部屋や公共スペースでのリモート面接は避けたほうが無難です。周囲の人にとっては業務の、面接を受ける候補者にとっては面接の妨げになるためです。
また、面接中はなるべく動かないことを心がけましょう。ごそごそ動いたり、目線をしょっちゅう画面から外したりしていると、相手が会話に集中しにくくなります。
5. 身だしなみに配慮
在宅勤務中だからといってカジュアルな装いのまま面接を行ってはいけません。リモート面接の際には、出社時と同様の服装で背景に余計なものが映り込まないようにします。多くのビデオ会議アプリケーションでは背景を無地に設定することができます。
6. リモート面接でも準備は万全に
面接を受ける候補者のレジュメと質問リストをプリントアウトしておきます。数分前にはログインし、ツールの機能を確認しておけば、面接が始まってから慌てることはありません。
7. 表情や口調に注意
落ち着いてはっきり話すとともに、対面での面接と同様、にこやかな表情を心がけます。場合によっては笑うことも大切です。自分が会話に積極的であることが相手に伝わるようにしましょう。
文章の最後や質問の後には少し間を置き、相手と言葉がかぶらないようにします。話すときは、画面に映った自分や相手ではなく、カメラに目を向けるよう注意してください。
8. 好印象で締めくくる
リモート面接を終えるときは、候補者に今後のステップについて伝え、最後に質問がないか尋ねます。また、時間を割いてもらったことにお礼も述べておきましょう。
リモートで実施するオンライン面接では、面接官が会社を代表しているという意味合いを持ちます。動画面接を有効に行うノウハウを知ることで、自身と会社の両方について候補者に良い印象を与えることができます。