「人の上に立つ人」と聞いて、どのような人を思い浮かべますか?
人の上に立つ人=上級管理職だけではありません。部下やチームを管理する立場でない人でも、人を率いるスキルやリーダーシップを磨くことで、生産性の高い社員としてチームに貢献することができます。また、リーダーに必要なポイントを抑えることがキャリアップの成功につながり、自分の求めるキャリアの実現性が高まります。
今回は上に立つ人の特徴・資質、そして優秀なリーダーになるためのポイントを紹介します。人の上に立つ立場である方やリーダーシップを磨きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
人の上に立つ人の3つの特徴・資質
人の上に立つ人は以下の特徴・資質を持っている人といえます。
- リーダーシップがある
- 同僚や部下に慕われている
- 行動力がある
この3つは、学んだり、努力したりすることで身に付けることができます。
リーダーシップがある
リーダーシップとは「統率力」を指します。ビジネスでは目標を達成するためにチームを動かす能力を意味することが多いです。上に立つ人がリーダーシップを発揮することで、チームの団結力を高めることができます。
日本の心理学者である三隅二不二は、リーダーシップは目標達成能力と集団維持力の2つから構成されるというPM理論を提唱しています。
- Performance(目標達成能力):適切な目標設定、行動計画を立てる能力
- Maintenance(集団維持能力):メンバー間の関係性を重視しつつ、チームをまとめ上げる能力
この理論では、2つの能力がどちらも高いのが最も理想的なリーダーとされています。
また、リーダーシップとマネージメントは似ているようで違うスキルが必要となります。2つの定義の違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
同僚や部下に慕われている
人の上に立つ人は、周りの人から慕われている人が多いです。周りの人というのは、上司だけでなく同僚や部下も当てはまります。
同僚や部下に慕われるということは、自分が部下や同僚のロールモデルであるということ。リーダー自身がロールモデル(=見習うべきお手本)となることで、チームの成長速度が上がることや組織が活性化するなどの効果が期待できます。
また、部下は自分の姿を見て育ち、部下に部下ができたときも自分と同じように接するでしょう。信頼関係が生まれることで、チーム内のコミュニケーションが良好になり、生産性も上がります。
行動力がある
率先して行動することは、人の上に立つ人にとって非常に重要です。時には部署を超えて周りを巻き込むことも必要です。
周りからの評価ばかりを気にするあまり、自分の意見を口に出せなかったり、「いざという時に動けない人だ」と思われてしまい、周囲からの信頼を失うことにもつながります。
しかし、考えなしに行動するのは避けた方が良いでしょう。情報収集や分析を十分に行い、時には周りの意見も取り入れながら決断することが大切です。
優秀なリーダーになるために必要な5つのポイント
では次に、優秀なリーダーになるためのポイントを5つ紹介します。
- 自信を持つ
- 感情に振り回されない
- 長所を理解して伸ばす
- 人と異なることを恐れない
- 部下を理解し、個性を尊重する
1. 自信を持つ
生まれながらのリーダーは、ほとんどいません。どんな人でも向上心を持ち努力することで、リーダーとして成長できます。「理想的なリーダーシップを持ち合わせていない」と諦めるのではなく、どうすれば理想的なリーダーになれるのか、自分が理想とするリーダーはどのような人なのかを考えましょう。
まずは自信を持つことが大切です。自信のなさそうな人に上に立ってもらいたい部下はいません。また「人を率いる意欲がない」と同僚や上司に思われてしまうと、キャリアアップは難しくなるでしょう。
2. 感情に振り回されない
リーダーになると考え方の違うメンバーをまとめる必要があります。そのためストレスを感じる部分が増え、感情的になりやすくなってしまいます。
しかし、優秀なリーダーであれば感情に振り回されることはありません。特にマイナスの感情との付き合い方が大切です。マイナスな感情の一つに「怒り」があります。
上司などから怒りをぶつけられたり、仕事がうまくいかなくても、同僚や部下に怒りをぶつけてはいけません。いたずらに怒ると、チームの雰囲気が悪くなりモチベーションが下がります。
怒りを感じたら「自分はなぜ怒っているのか」を考えてみましょう。怒りの裏には期待や心配、悲しみなどの気持ちがあります。まずはそれに気付くことが重要です。
部下や同僚に怒りをぶつけるのではなく、その裏に隠されている気持ちを正直に伝えましょう。
3. 自分の長所を理解して伸ばす
リーダーというのは外向的な人だと思われがちですが、それは必ずしもそうとは限りません。
静かで内向的だと自覚する人でも、優れたリーダーとなっているケースは多いです。エイブラハム・リンカーン、アルベルト・アインシュタイン、ウォーレン・バフェットなどが、よい例です。知識や集中力、思いやりなど「静かな強さ」も有用なスキルです。
一人で仕事をするのが好きという内向的な考えは、リーダーシップでは短所と捉えられがちです。しかし内向的な性格も長所になり得ます。黙々と計画や準備作業を進める能力の高さもまた、人の上に立つ人には欠かせないスキルだからです。
4. 人と異なることを恐れない
アップル創設者のスティーブ・ジョブズ氏はかつて、「リーダーとフォロワーの違いは革新する力である」と語りました。昔からの安全な方法に従い習慣に固執する行動は、リーダーが持つべき革新力に逆行します。
クリエイティブに考えるための第一歩は、既存のプロセスのどこが間違っているかを考えること。既存のプロセスや計画、ビジネスアイデアに対してあらゆる角度から目を向け、その短所・長所を認識する能力が求められます。
時には周りの人と意見が異なる場合もあるでしょう。そのような場合でも人と異なることを恐れず、自分やチームの考えに自信を持ちましょう。また意見の正当性を周囲に理解してもらうための説得力も欠かせません。
5. 部下を理解し、個性を尊重する
優れたリーダーは、部下の考えや価値観を理解し、個性を尊重します。どのような考えで行動しているのか、大切にしていることは何なのかをよく観察しましょう。
また、アドバイスや指示を細かくしすぎてはいけません。細かな指示は部下の個性を抑え、主体性を奪ってしまいます。また独りよがりなアドバイスも避けた方が良いでしょう。部下の気持ちを理解せず、部下の意見を否定したり自分の意見を押し付けたりすると、相手は自分のモヤモヤを共有しづらくなります。
部下が「上司から理解されている」と感じられることで、仕事のパフォーマンスは向上すると言われています。考えや価値観だけでなく、不安などネガティブな気持ちにも共感することで、より強い信頼関係が築けるでしょう。
「人の上に立つこと」は自分を分析することから始まる
人の上に立つためのスキルやポイントを解説しました。
「リーダーシップ」という概念に尻込みしてしまう人もいるかもしれません。しかしビジネスで成功するためには、人の上に立つために必要なスキルやポイントを理解し、習得する必要があります。
まずは、自分自身を分析することが必要です。自分にどのようなスキルが足りていないのか、それらを習得するためには何をすべきかなど計画を立てましょう。ロールモデルとなる人を見つけることも効果的です。そして自分のリーダーシップスキルを磨きつつ、同僚や部下への理解を深めることで信頼が集まり、優れたリーダーとして認められるでしょう。
また、スキルを習得したり、なにかを成し遂げるときには、しっかりと目標を立て、努力を続けることが大切です。効果的な目標の立て方についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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