人生100年時代とも言われる現代では、仕事や私生活を含めて「自分の人生をどのように設計するか」は重要な問いといえます。時代の変化が早いため、描いたキャリア通りに進む保証はありません。それでも、自分自身がどこに向かうべきか方向性や指針を持つことは、人生の質を高めることにつながります。

しかし、流されるままに生きてきた人が「自分がどうありたいか」を考えても、なかなか答えは見つからないものです。そこで、本記事ではキャリア目標設定に大切な5つの質問を紹介します。ぜひキャリアの棚卸しのために、自分自身に問いかけてみてください。

また、こちらの記事ではキャリアプランの描き方を詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

1. 自分の役割はなにか?

多様な人材が働く職場では、一人ひとりが自分の役割を全うすることが大切です。こうした役割は、会社から与えられた役職やミッションでなくても、自らの意志で積極的に取り組めます。

例えば、リーダー気質を持つ人であれば、イベントや新しい企画に率先して行動することで、実質リーダーとしての姿勢を周囲に示せます。また、慣習に捉われず新しいやり方に積極的にチャレンジし、それによって成果を出せば新たなプロジェクトリーダーに抜擢される可能性もあるでしょう。

一方、人を支えることに喜びを見出すフォロワータイプであれば、チームメンバーが円滑に仕事を進められるように職場環境の整備や、社内コミュニケーション課題の解決に声を上げることができます。

このように、チームが抱える課題を明確化した上で、自分の長所を活かせる分野を模索し、組織に貢献できそうな業務を上司に掛け合えば、自己成長の機会を得られます。経験したことのない体験は人を大きく成長させるチャンスです。

リーダーに必要な能力を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

2. そのタスクは本当に必要があるか?

上司から指示された業務をすべて二つ返事で引き受けてしまった結果、全てが中途半端になっていませんか?日々の業務に忙殺され、「もっと時間が欲しい」と感じている方は少なくありません。

しかし、やりたいことを実現している真の生産性が高い人は、何でもかんでも引き受けるのではなく、「時間は有限である」ことを強く認識し、自分にとって必要なことだけを行っています。ありきたりな言い方ですが、人生は一度しかありませんので、時間を最大限に活用することが大切です。

そのためにも、仕事のやり方を効率化し、時間と労力を無駄にする悪習慣を断ちましょう。がむしゃらに働くよりも、やるべきことを決めて無駄なことを排除すれば、結果的にあなたの人生にとって価値のあることを数多く実現できるようになります。

仕事に限らず家庭やプライベートでも同様です。家庭を顧みずに仕事に邁進しても、結果として家族との関係が破綻してしまえば本末転倒です。周囲の顔色を伺って無駄に残業をしたり、付き合いだけの食事会に参加したりする必要は一切ありません。それよりも、家族と過ごす時間や趣味を楽しむ時間を増やす方が、人生の幸福度が高まります。

3. 自分は今、成長できているか?

人間誰しも一人では生きていけず誰かの支えが必要です。家族や上司、同僚、かつての仲間など、あなたの周りには困ったときに支えてくれる人が必ずいるはずです。自分の考えや価値観に共感してくれる人の存在は精神的にも大きな力になります。また、時には自分の短所をはっきりと指摘してくれる仲間やコーチの存在も必要です。自分にとってかけがえのない人と過ごす時間を増やし、自分自身を成長させましょう。

逆に、自分にとって悪影響を及ぼす人と無理に付き合う必要はありません。理不尽な要求をする上司や怠惰な同僚の尻拭いは、キャリアゴールの達成を遅らせるだけです。職場はお互いの足を引っ張り合う場所ではなく、それぞれが足りない部分を補いシナジー効果によって大きなことを成し遂げる場所です。

自分一人でやれることは限りがありますが、仲間と協力すればより大きなことを成し遂げられます。

キャリアアップにつながるヒューマンスキルを詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

4. 人生にとって大切なことを見失っていないか?

真の豊かさとは報酬や生活水準の高さだけでは計れません。幸福の経済学によれば、経済成長によって一人あたりの所得が増えても、ある一定を超えると、「所得の伸び」と「幸福度の伸び」が明確な相関を持たなくなることがわかっています。

「家族のために」と日々仕事に没頭するあまり、家族とのかけがえのない時間を蔑ろにしていませんか?仕事と家庭のワークライフバランスが上手く取れていないと感じる方は、人生において大切なことの優先順位を見直しましょう。

生涯で成し遂げたいことや自身の夢を紙に書き出した経験がある方も多いはずです。しかし、その中で実際に達成できたものはいくつありますか?夢を願望で終わらせないためにも、明確にゴールを決めることが大切です。例えば、海外旅行に行きたいと思っているのであれば、「いつか行きたい」ではなく、「○月○日に行く」とゴールを決めて、その日に向けて具体的な旅行の計画を立てると良いでしょう。

他にも、家族と過ごす時間を増やしたいと思っているのであれば、願望で終わらせるのではなく、「月の残業は○時間までにする」「有給を使って長期休暇を取得する」といったように具体的なアクションを立てることから始めましょう。

目標設定の仕方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

5. 今の仕事が心から好きか?

仕事は、その人の生き様を映すものです。仕事をしている一瞬一瞬が楽しく、心が踊るくらいのめり込む必要はありません。しかし、自分にとってその仕事は誇りを感じるものであり、人生における有意義な体験と呼べるものであるべきです。

仕事に価値を見出せず、キャリアゴールを見失っていれば、その要因を探ってみましょう。報酬、仕事内容、人間関係、あるいは他の問題なのか。その答えは自分の心の中にあります。今の仕事に夢中になれない理由をはっきりさせましょう。

しかし、自分だけでは根本的な要因に辿りつけないものです。その場合はキャリアの選択・開発を支援してくれるキャリアアドバイザーへの相談も有効です。

たとえ今の生活を維持するためとはいえ、自分にとって価値を見出だせない仕事を続けるのは苦しいものですし、長期的に見ればキャリア成長の機会が損なわれます。逆に自分にとって価値を感じられる仕事であれば、人一倍の成果をもたらし、将来的なキャリアゴールの達成につながるでしょう。

仕事への熱意を取り戻す方法を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ

本記事では、キャリア目標設定において大切な5つの質問を解説しました。これらの質問に正解・不正解はありません。しかし、自分にとって納得のいく答えが見つかるまで、時間を掛けて考え抜く必要があります。

また、置かれている状況やタイミングによっても考え方や価値観は変わるものです。仮に過去の考え方から変わったとしても、自分を責める必要はありません。変化を受け入れながらも、自分自身を常にアップデートし続けることが大切です。

もし、自分のキャリア目標を上手く言語化出来ない場合は、ロバート・ハーフのキャリアコンサルタントまでご相談ください。あなたのこれまでのキャリアや現在抱えているお悩みをお伺いした上で、最適なキャリアアドバイスを提案させていただきます。